27. 愚痴を言ってもいいですか?

27. 愚痴を言ってもいいですか?

私にコミュニケーションやコーチングを教えてくれた師匠がいる。 
20年来の友人でもある。ふたりで、同じビジョンに向かって進もうと決めて始めたコミュニケーションの勉強。ビジネスのパートナーシップもとっていこうと決めていた。

しかし、自分が前に進めば進むほど、自分軸が確立すればするほど、彼女の進もうとしている方向に違和感があった。

「私はあなたと進む方向が違う」なんて伝えてしまうと、まるで相手を否定してるみたいだ。じゃあ何て言えばいい? グルグルと自問自答が続く。

私は、思いや考えを上手く言葉で表現することが苦手な上、自分を悪く思われることが、ただ怖かった。自分の中の葛藤はずーっと続いていたし、そんな自分を心の奥でいつも責めていた。セッションで話すことにした。

「実はモヤモヤしてるんですよ」

「モヤモヤしてますね~」

「なんか、今まではこんな事を言うと愚痴と思われるんじゃないか? と、いろいろ怖かったんですけど・・・ひとみずむの人たちって、皆さんすっごくさらけ出してるじゃないですか? だから、今日は私もひとみさんに色々心の中をさらけ出してみようかなぁ~と思って・・・聴いてもらえます?」

「あ、いいですよ」

そのニュートラルな応答がなぜか心地良く、思いのほか安心して話せた自分がいた。とにかく胸の内を全部聴いてもらった。さらけ出してみた。ワガママと思われようが、我が強いと思われようが、構わない。そう思うくらい、厚い壁を突破したかったに違いない。

とにかくずーっと私の話に耳を傾けてくれた・・・ずーっと。
スカイプだから表情は見えなかったけど、温かい相槌が私の心には届いていた。
そして全てを聴き終えるとひとこと、ポツリと優しい声で、

「みさよさん、それでいいんですよ」

「・・・え?」

その言葉は全身鳥肌が立つほどの嬉しさと驚きを感じ、絶句した。その言葉の意味を呑みこんで理解するまで、リアルには、ほんの一瞬なのだろうが、その時の私にとっては、1分くらいに感じた。

「えっ?!いい・ん・で・すか?」と聞き直すと同時に涙が溢れた。
予想もしていなかった言葉だった上に、大人になってから、しかも体育会系どっぷりの仕事環境では聞いたことのない言葉だったからかも知れない。

「それでいいんですよ」という言葉は、壁を突破したいと思っていた私にとって、実際の感覚は突破ではなく壁にドアが付いていて、そのドアをスーーーッと手で開けたような感じに伝わってきた。フィードバックの言葉によって自分の事を認める事が出来た。私はひとみさんに鍵を開けてもらったドアを、自分の手で開けて壁の向こうへ進んだようだった。独りじゃない・・・そう感じた瞬間でもあった。

それまでは、良い点数を取る事、試験に合格する事、資格を取る事、賞をもらう事・・・そんな評価でしか自分を認めることが出来なかった自分にも改めて気付いた。言葉には人を認めるパワーがある!と体感した。そんな言葉の承認は、初めて受け取った気がした。その時、心の奥で「自分もこんな風になろう!今、私が味わっているこの感動を私からも誰かに伝えていこう!」と強く思った。

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