26. ベキベキ思考をとっぱらえ

26. ベキベキ思考をとっぱらえ

人には誰しも生まれてきた意味がある。
こんな言葉を目にするたびに、私には関係ないと思っていた。
むしろ、今回の人生は苦労するものだと決め付けていた。
とにかくいろんなことがあった。『ありすぎでしょ!』と思っていた。

それでも『ポジティブに何かやりたい!』と思って行動しては挫折した。
『ほら、やっぱりね!』『私はダメだ!無理だ!』と自分を責めた。 
自分では、『過去は辛い事ばかりだったけど、これから変えるんだ』と思っていた。
経歴を話すといろいろありすぎて長く暗くなるので、めったに人には話さない。
その過去を、堀口さんは意外な言葉で切替した。
「経験豊富ですね!活かしましょう」
「・・・・・」えっ? 何?
私を固めていた、とても重くて厚くて暗い何かが、ドドドドッと崩れ落ちる感じがした。シンデレラのストーリーでカボチャが素敵な馬車に変ったような、魔法の言葉だった。また、無理やりポジティブになろうとして疲れたり、イライラすることが多かった。そんな自分を堀口さんに吐き出せたのもようやくだった。
「粟谷さん、さっきから~すべきとか~しなければならないって言葉ばかり言ってますよ。ベキベキ思考ですね~」
「ベキベキ?」
ハッとして、自分の話し言葉を思い返した。全く気づかなかった考え方の癖。
・弱い自分を見せてはいけない。
・常に前向きであらねばならない。
・出来ないのは努力が足らないから。
・人に頼ってはいけない。
何もかも型にはめ込んで考え、私はまだまだダメなんだと結論付けていた。
苦しかった。辛かった。限界を超えていたのか、あふれ出るように吐き出した。
常に前向きにあらねばならない!という思い込みが、堀口さんに自己開示できていない原因にもなっていた。

「弱音を吐いてもいいじゃないですか。私なんてメンターの金井さんに弱音はきまくりですよ」「失敗?全部ネタにすればいいじゃないですか!誰かの役に立ちます」「できないことは、得意な人に頼んでしまえばいいし、人を活かしましょう」

堀口さんは、私のベキ発言を全て「いいんです!」に変えた。私の枠を取り払った。
全身の力が抜けた。おそらく立っていたら地面にへたり込んでいただろう。
セッションのあと、ものすごい脱力感に見舞われた。

堀口コーチに付いてもらったことで、落ち込むこともあった。焦ることもあった。
堀口さんだからできたんだ!とひねくれたこともあった。

『私は堀口さんじゃない』だからそんなにできない。でも、堀口さんのようになりたい。そんなことを思っている自分がすごく嫌だった。セッションでぶつけてみると、「どんだけやってると思ってますか?!HPなんて100回以上更新していますよ」と。

水上の優雅な白鳥の姿しか見ていなかった。水面下の足の動きを知らなかった。
セッションが終わって気づいた。
『そう、私は堀口さんじゃない』 私はまだスタートしたばかり。
私は粟谷裕子として進んでいる。

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