25. 変わる必要なんてなかった

25. 変わる必要なんてなかった

ピラティスのスタジオのオーナーになって3年目。
あれから何度通っただろうニューヨーク。
ピラティスマシンも全て揃った。
お客様も順調に増え信頼関係もできた。

反面、毎日の暮らしはやることリストでいっぱいになっていった。
毎日が仕事ばかりで終わる、長い繰り返しのような消耗感を感じていた。
企業で仕事しているときと違って独立したら、どれだけ仕事をやっても誰からも承認も評価もされることがない。気がつけば、好きなサルサも最近踊ってない。

「わたしほんまにこれでええのん?」と思う日もあれば、「ピラティスができて、好きな仕事でご飯食べていけるわたしは幸せ!」と、ポジティブモードとネガティブモードの間で心が揺れていた。

仕事をしながら、離れて暮らす両親のことも気になっていた。
両親も段々年老いていく。「娘としてなにが一番の親孝行!?」
今はひたすら頑張っていくしかない。と、思っていたそんな矢先。
父の膀胱癌が発覚。ショックだった。
変えなければ。変わらなければ。

でも、この頃のわたしは、なにをどうやって?
自分で考えるだけで精一杯で、行動にうつすことができてなかった。

「鍵谷さんの強みってなんですか?」

「え~24年のフィットネス業界でのキャリアと人脈。エアロビクス・ボディビルディング・フィットネス大会での優勝経験があること。フィットネスプログラム開発・人材育成研修・管理業務ができること・・・パーソナル&グループ指導&プレゼンくらいですか?」

「へえーーーー!すごいですね~。そんなに優勝経験あるんだったら、
成功法則セミナーとかできちゃいますよ」

「ええっ。そうなんですかぁ!?笑」

「そうですよーーー!なんで、そんなに体のことを追求してきたんですかね?」

「うーん・・・なんでしょう。トレーニングが好きだから!やってると強い自分を感じるから~(笑)身体は正直で、やればやるほど、変わっていく。それと人に恵まれてきました。好きなことをやってると助けてくれたり、引き上げてくれる人が必ずあらわれます」

「引き寄せてますねぇー。そうですね~。あはははは・・」

コーチングしてもらって笑ってるうちに、気がついたら自分の棚卸しができていた。自分のことを認められたら、今まで感じていた消耗感がすーっと消えていった。変わる必要なんてなかったんだ。

いつもめちゃくちゃ明るい母が言う。
「佳陽子、よかったねぇ。変わったわぁ。コーチングええと思うわ~。
お父さんも変わったなぁ言うてる。そのまま受け続けなさいよ~。
お母さんもうけよかなぁ。わはははは~」

次に続く言葉は「大丈夫!あんたやったら絶対いけるわ!いけるいける。あかんかったらあかんかったときのこと~。あんまりふこう(深く)考えんとやっていったらええねん」

生粋の商売人の父と母。人生何があっても笑い飛ばし、いつも大きくおおらかに生きてる。
父の膀胱癌も、抗癌剤投与でいつの間にか消えていた。
わたしもそんな風になるのかな。いやもうなってるのかもしれない。

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